成田空港第三ターミナル 

    
 
 


 成田第三ターミナルは、第二ターミナルから、歩いて600m。
 コンクリートむき出しの、倉庫みたいな空港でした。

 海外から来た人が、ここに降り立つのって、
 どうなの?ちょっと恥ずかしいでしょう。
 そこにいる自分も、貧乏になった気がしました。

 チェックインは長蛇の列で、1時間近く待たされました。
 あとで調べた事によると、
 LCCでは、チェックイン業務員は、
 1時間前には搭乗業務員になるので、
 早めに行かないと、チェックイン窓口は閉まってしまうそうです。

 チェックインで荷物を預けようと、
 いつものように台に乗せると、8.8kgでした。
 「荷物代は含まれておりませんので、¥16,000お支払いください。」

 え、え〜〜?耳を疑いました。
 私のは、機内持ち込み用のキャリーバックです。
 「ああ、じゃあ、機内に持ち込みます。」
 「機内持ち込みは、6kgまでとなっております。」
 
 てなわけで、いきなりぼられました。
 帰りも¥16,000払って帰って来ましたが、
 今思い返すと、機内持ち込みの荷物を
 秤にかける場所って、どこにもないんですよね。
 
 みんな重そうな手荷物を持っていますが、
 フリーパスです。
 何も知らずに、チェックインカウンターで秤に置いたのは、
 あさはかでした。
 だって、荷物を預けられないなんて、
 考えたこともありませんでしたから。
 
 どうしてうちらのようなマダムがLCCに乗ったかと言うと、
 日本からケアンズへは、
 ジェットスターしか直行便を出していないからです。

 まあ、お金で済んだことは、あきらめましょう。
 しかしうちらには、深夜便にも関わらず、
 毛布が配られませんでした。
 周りの人全員に配られているにもかかわらず、
 うちらは身体が剥き出しです。

 毛布は$10です。
 「毛布をください。」ともちろん言いましたが、
 「搭乗チケットを出せ」と言われ、
 「お客様の契約にはありません。1枚も余りはありません」。と。

 夕食が配られたのに、うちらの席だけ飛ばしていきます。
 「夕食をください。」ともちろん言いましたが、
 「余分はありません。」と。
 サンドイッチならあると言うので、
 それを$10で購入し、ひもじい夕食となりました。

 周りの人は皆、「チキンorビーフ?」とか聞かれ、
 湯気の立つ機内食を食べています。
 第三ターミナルでは、まわりのみんなが貧乏人に見えましたが、
 機内では、まわりの人々が金持ちに見えました。

 いつも受けていた、当たり前のサービスが受けれない。
 知っていたはずなのに、
 どうしてこんなミスをしたか?反省しました。

 そもそも、直接ジェットスターで購入すれば、
 毛布と食事は選択したはずです。
 今回は、HIS手配ツアーを使ったからです。

 その時、「HISには、荷物と毛布と食事はついています」
 という表示を確認しました。
 しかしそれは、ツアーチケットのことだったんですね。
 手配航空券は、裸のチケットだったのです。

 こんな惨めなフライトは、初めてでした。
 帰りはつけてもらおうと、ネットでアクセスしましたが、
 HIS経由で買ったので、ジェットスターにはログインできません。
 チェックインカウンターで、「毛布と食事をつけてくれ」
 と交渉しましたが、「too late」と断られました。

 しかしもう、覚悟は出来ています。
 機内食よりおいしい空弁を買って、
 スパッツを2枚重ね履きして、乗り込みました。
 帰りはもう、惨めじゃありませんでした。

 今後も、LCCでもかまいません。
 毛布も食事も必要ありません。
 荷物は6kg超えていたって、
 しれっと機内に持って入ります。

 幾多の困難を乗り越え、
 私らは、立派なLCCユーザーに成長したのでした。


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